トップページ「VET'S-愛媛」とはお知らせ会員動物病院一覧求人案内会員ログイン会員ログインお問い合わせ

記事一覧

自然災害および原子力災害時における動物救護活動について

「自然災害および原子力災害時における動物救護活動について」として、「VET'S-えひめ」の災害時の活動についてとりまとめました。

続き


自然災害および原子力災害時における動物救護活動について
(平成23年4月1日作成、平成24年4月1日改正)

我々はこれまでに愛媛県松山市や東温市を中心に社会貢献活動として、動物の愛護及び管理に関する法律を遵守し、伴侶動物の救護活動を行っております。
このたび、日常の伴侶動物の診療知識や技術に加え、動物看護やペットロスなど動物生命の重要さや動物を伴侶とされている飼い主の方々との日常交流の経験を活かし、獣医師としての社会貢献の思いを示し、自然災害時における動物救護活動を迅速かつ適切に遂行する目的で、昨年(平成23年3月)から愛媛県開業獣医師会として、社団法人日本獣医師会の「災害時動物救護の地域活動マニュアル策定のガイドライン(平成19年8月)」に従って愛媛県開業獣医師会の動物救護活動マニュアルを策定し、活動をしております。
さらに、愛媛県には伊方原子力発電所があることから、東日本震災による福島原子力発電所の放射能汚染に伴う動物救護活動のあり方を教訓とし、原子力災害時の伴侶動物に救護活動について基本的な活動基準や考え方を示し、活動を始めております。
本会では、自然災害および原子力事故災害時に、迅速かつ効果的な活動を遂行するためには事前の備えが重要であることから、以下のような協定書を準備しております。

【参考資料】
・協定細目Ⅰ 災害時における動物救護活動に関する協定細目(案) ・・・ファイル 9-1.pdf




原子力事故等に伴う放射能汚染時の動物救護活動の防護基準と考え方
東日本大震災(平成23年3月)に伴う東京電力福島原子力発電所の爆発事故によって、広範囲に及ぶ環境の放射能汚染が生じ、動物救護活動が著しく制限され、多くの動物が犠牲になりました。愛媛県には伊方原子力発電所があり、国の災害対策基本法および原子力災害対策特別措置法に基づき、地域防災計画が策定されていますが、動物救護に関しては具体的な活動指針やマニュアルはみられません。本会は発足と当時に日本獣医師会が策定した災害時動物救護活動の地域活動マニュアルのガイドラインに従って伴侶動物の救護活動マニュアルを策定していますが、このたび放射線防護の基準や過去の教訓を検討し、原子力災害時の救護に関する活動指針を策定しました。策定指針の基本理念は、原子力事故災害おいても、動物愛護及び管理に関する法律の遵守と社会貢献(フィランソロジー)の精神を持って、できるだけ多くの動物の生命を救い、安全安心できる状態で伴侶動物を飼い主さんにお返しすることです。そのためには、放射能汚染が発生した場合、救護活動にあたる獣医師やボランテア、飼い主などの人だけでなく、動物の健康障害を防ぎ、様々な情報とりわけ風評などに混乱されることなく、正しい放射線知識を持って適切に救護活動を遂行する必要があります。今後も必要な科学的根拠に基づいた放射線防護の知識習得等の研鑽に務めております。ここでは、本会が策定した放射能汚染時の伴侶動物救護活動の放射線防護基準と考え方を示します。
  
1.基本的姿勢
放射能汚染に伴う不必要な放射線被ばくは、受けない(回避する)。すなわち、外部被ばくに対しては放射線防護三原則に従い、内部被ばくは吸入や経口、および創傷などによる経皮摂取などに対する適切な措置を講じることによって避ける。

2.放射線被ばく量による活動基準
1)救護活動で受ける被爆線量は、公衆被ばくの線量限度である1mSv/年とする。
2)汚染状況に応じて、5年間の総被ばく線量の平均が1mSvになる予測が十分できる場合、現場の線量率や活動時間を考慮して、作業ができる。これは、事故時の被ばく線量が一時的に1mSv/年を超える場合があっても、その後の被ばく線量を抑制して、結果として5年間の総被ばく線量が5 mSv(平均1mSv/年)になるようにする。
  
3. 放出された放射性核種による活動基準
1)放射性ヨウ素の高い汚染がある地域や期間は、原則として放射能が減衰し、安全と判断できる線量率に下がるまで待機する。安定ヨウ素剤の服用が必要な汚染状況下では救護活動は行わない。ただし、汚染避難区域から運搬された伴侶動物は、受け入れる。
2)放射性セシウムの汚染地域では、線量率を測定しながら被爆線量をできるかぎり少なくするように計画的に活動する。外部被ばくに対しては放射線防護三原則(距離、時間、遮蔽)を守る。内部被ばくに対しては、あらかじめ用意した防護措置によって講じる。体内除染剤の服用が必要な汚染状況下では活動は行わない。ただし、汚染避難区域から運搬された伴侶動物に関しては、受け入れる。
3)人体への影響が大きいプルトニウムやストロンチウムで汚染された地域での活動は原則行わない。

4.救護活動者の放射線防護の方法
1)放射線防護の関する知識は、不断なく習得に努める。放射能汚染あるいはその可能性がある場合、必ず準備した防塵衣、帽子、マスク、手袋、防塵メガネ、長靴などの装備を着用する。素肌とりわけ目や口の粘膜の汚染を受けないように注意する。汚染の疑いが生じた場合、適切な除染措置を行う。
2)伴侶動物体表面の除染時には、前項の防塵衣の代わりに防水あるいは撥水性の作業着を着用する。
3)除染作業時は、動物の保定、洗浄作業、放射線測定、作業補助がチームを組んで、汚染拡大や二次汚染を起こさないようにつとめる。

5.放射線防護の判断
1)放射能汚染の様々な情報収集に努める。
2)放射能汚染の状況は、公的な科学的証拠および自らの測定結果に基づいて、獣医師やボランテアおよび飼い主の放射線被ばく線量が十分に低いか、ないことの判断は、本会で行う。(科学的根拠のない風評被害や情報には惑わされない)

6.救護および保護動物の措置および対応
1)伴侶動物の救護および保護時に体表面に汚染があった場合、安心して動物を扱えるように適切な除染措置を講じる。
2)放射能汚染が除去できるか、十分に低減され二次汚染がないと判断された場合には、すみやかに飼い主に戻す。
3)飼い主の放射能汚染に関する問い合わせや飼育方法などの相談に対して、適切に対応する。
(平成24年3月22日)

【参考資料】
・協定細目Ⅱ 原子力事故災害時における動物救護活動に関する協定細目(案) ・・・ファイル 9-2.pdf
・災害時における動物救護活動に関する協定書(案) ・・・ファイル 9-3.pdf